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シェイムレス・プラクティス

 一息にシツを脱ぐベルトを外す金属音にどくどくと心臓が跳ねるのはいつものことだ革のパンツを下着と一緒にするりと足から抜く 鬼柳の動作をクは黙て見つめている瞬きひとつしない様もいつものことだ広すぎるダブルベドの上でクは着衣を乱すこともせず腕を組み鬼柳を観察している 零度の視線が何を考えているのかそればかりを気にしながら鬼柳はジクの正面で膝立ちになて裸身を晒す羞恥はないクが求めるのであれば自分は全てを捧げるのみだ望まれることが嬉しいならば恥じ入る余地などどこにもない初めの頃はジクに比べて随分と肉の薄い自分の身体を恥じたりもしたが今はただ王者を待たせることのないようにと手を急かせるばかりだ 脱ぎ捨てた衣服をベドの端に寄せて鬼柳は改めてジクに向き直るクはまだ何も言わないただ視線だけが雄弁に熱く鬼柳は身を捩りたくなる衝動を必死に堪える たぷりと王者の視線を注ぎクはようやく口を開いた︱︱貴様は恥ずべきことだと思わんのか ひくりと鬼柳の肩が跳ねる見つめられるだけで半ば疲弊していた鬼柳は一瞬責めの言葉かと怯えたがの表情を見てすぐに考えを改めたクは薄く笑みを浮かべ実に楽しそうに鬼柳を眺めているクが愛してくれる身体だ恥じることなんてない 鬼柳はきぱりと言い切る 例え貧相な体つきでも抱き心地が悪くてもクが愛情と精を注いでくれるのだ王者の寵愛を唯一与えられているのだから誇りこそすれ恥じることはない ジクはクと喉を鳴らし鬼柳へと手を伸ばす 抱き寄せられるのかという鬼柳の期待はすぐに裏切られクは鬼柳の腕を掴んで引き寄せ重ねたクンの上へと突き飛ばす羽毛の柔らかさに背を預けながら鬼柳はジクを見上げる王者の笑みがあ慣らされたわけではないのならば今日は少し趣向を変えるか きと鬼柳が裸身を晒す間に考えていたのだろう王者の朗とした声が告げる一人でしてみせろ鬼柳 鬼柳はといえば目を丸くするしかないひと 鬼柳が呻いて見上げてもクは薄く笑みを刷いたまま微動だにしない悠然と腕を組んで鬼柳を見下ろすばかりだ 一人でしてみせろとはつまりクの前で自慰行為に及べということか 体を晒すことに今更抵抗はない喘ぎ声もクの性器を受け入れることも攻めに泣き濡れる表情も全てクが望むのならと抑えることをやめたクが望むのなら喜んで差し出そう けれどそれはクが望むがままに彼のしたいようにされたいという意思によるものだ自慰をしろというのも確かにジクに望まれた行為ではあるが行為の主体はジクではない鬼柳自身が鬼柳自身に施さなければならないそしてジクはそれを傍観して楽しむ 鬼柳にとては許容しがたいしかしいくら戸惑たところで一度口にしたことをジクは翻しはしないだろわか ジクが望むのなら鬼柳に拒否することはできない ついてこない感情を引きず鬼柳は辛うじてそう答えたクの視線を強く感じながらひとまずク
ンに深く背を預ける預けるがそこから先をどうすればいいのかが分からない 鬼柳は自分のことを性に淡白な方だと思ている今でこそ毎日のようにジクと肌を合わせているがそれはクが望んでいるからであ鬼柳の方から誘いをかけたことなど︱︱ないとはいわないがほとんどない ジクには毎夜疲弊するほど抱き尽くされているから自慰などにはとんと縁がない ならばジクと一緒になる前一般的に性への好奇心が旺盛だとされる少年の時分にはどうだたかと問われればここでも無縁だ安心して休める寝床を探すのに精一杯の状態でどうして安穏と性行為に耽ることができるだろう答えは否だ 結論として鬼柳には自慰の経験などないに等しい 衝撃の事実に思わず固まる鬼柳をクは心底楽しそうに眺めるいつまでそうしているつもりだうるさい 向けられる揶揄の響きに身じろぐ 抱かれる側に甘んじているとはいえ鬼柳は男の矜持を捨てているわけではない性経験の浅さを話題にされたくはないのが性というものだ 半ば意地にな鬼柳は下肢に手を伸ばす脱衣の際に向けられたジクの視線に昂揚していたと思たが予想外の事態のせいだろうかそこには何の反応もなか そろそろと指を伸ばして萎えた陰茎を掴むとりあえず刺激を与えさえすれば勃つのだからと肉を包む手を上下させた一番いい力加減を探しながら亀頭を弾くようにして擦り上げる 鬼柳は慣れない行為に必死だつい何のためにこんな真似をしているのかを忘れてしまう程度には鬼柳よ ジクの声にようやく状況を思い出す少し笑いを含んだ声の混ぜられた吐息にすら感じたのか手中で陰茎が僅かに硬度を増した ジクは気づいただろうかよく見えんな この言葉を信じるなら気づかれていないのだろうかし下された台詞は安堵には程遠いものだ膝を立てて足を開け俺に見せずに一人で楽しむつもり 鬼柳はきと唇を噛む ジクに請われた上で行為に及んでいるのだからのジクに見せなければ意味がない理屈としては正しいのだが感情も理性もついてこないただジクだけが状況を楽しんでいるクだけは着衣も呼吸も乱さずに鬼柳の動向を観察している 逡巡の末鬼柳はのろのろと膝を立てた言われるがままに立てた膝を左右に開く憚るものもなくジクの視線に晒された陰茎がまた少し角度を増した 鬼柳はといえばクの視線から顔を逸らして震えている いつも通りのセクスであればこんなことはありえない詰る視線だろうが蔑みの言葉だろうが鬼柳はジから与えられるものであれば真直ぐに受け止める なのに今日はおかしい 只管手を動かす この時間はいつまで続くのかクが満足するまでだろうけれどそれはつまり自分が射精すれば終わりなの
だろうか どこか焦り始めた思考にクが追い打ちをかける幼い拙いな鬼柳俺への愛撫程度にやてみせろ ジクへの愛撫程度になどと言われても己が快感を得るよりもクへの奉仕に手慣れた鬼柳にはどだい無理な話だクはき分かていて言てい 絡みつくジクの視線が質量すら伴ているように思えて鬼柳は左右に首を振もちろん振り払えるわけもないと息を吐く もう終わりにしていつも通りジクに抱かれたい ぐちぐちになる頭の中をただその思考だけが埋め尽くすが擦るだけの単調な動きで達することなどできない人並みの自慰よりもクに貫かれる快感を覚えた身体では尚更だ もう一つ悪いことにクに抱かれたいと思た瞬間から前よりも後ろが強く疼き始める 腰が跳ねる陰茎と掌の摩擦にささやかに水音が混じ先走りが肉を伝う感覚にひくりと後孔が疼いたのは錯覚だと思いたいそうでなければジクに全て見られていることになる ジクは何も言わない達するまでには足りないやかな刺激に身悶える鬼柳をじと見ているクの太く長い陰茎に貫かれる快感を知ている身体が鬼柳の意思を置いて暴れ始める 左手で幹を擦り右手で双球を揉み込む揉み込む動作に混ぜて中指をそろりと伸ばすふう 爪先が会陰をなぞる感覚に跳ね上がりそうになるがうじてジクには知られたくないと堪える陰嚢をくすぐる動作に見えていればいい伸ばした中指が入り込む動作には気づかれたくない 中指の先がほんの僅か埋まる普段はもとずと大きなものを受け入れているくせに押し出すような抵抗があ 無理矢理進めれば指先は肉を割り第二関節辺りまで埋後孔が指を締め付ける感覚に手中の陰茎が跳ね勝手に逸れていく背筋を正すことができず鬼柳は強く目を閉じた鬼柳 ぞくりと肌が粟立 低く響く王者の声が吐息が鬼柳の耳を掠めるばちりと目を開けば少し離れて静観していたはずのジの顔が眼前にあ 反射的に鬼柳の膝が閉じられるもちろんジクが許すはずもなく閉じられる前に膝を割り入れられ無理から開かされた指を押し込めた後孔まで余すところなく晒される鬼柳の耳元でジクの喉がくつくつと鳴︱︱浅ましいな 王者の睥睨が何に対してのものかなど視線を辿らずとも分かる ぼろり鬼柳の目の端から涙が零れ落ちた 侮蔑の言葉に心臓が縮み上がるそんな感覚を覚えたの性器を擦り排泄器官を抉る手は何故か加速する乖離していく感情と肉体が酷く辛い鬼柳は体裁も何もかもを放り投げいやいやと首を振汗で湿た髪が振り乱されて頬を打つ何がだこんなああ
 滅茶苦茶に陰茎を擦尿道に爪を立てる後ろを抉る指はもと酷くて一気に二本を増やした伝い落ちた先走りだけでは潤いも足りず無理に突き入れられた三本の指に穴がぎちぎちと軋むどれが錯覚でどれがジクの望んだ行為なのかもう何も分からない ただ浅ましいと謗る声が鬼柳の心と肉を波打たせるめんなさゆるして そうだこんなこんなことは浅ましい 快感も質量も足りなくてクではないものを自ら込んで腰を振クの前で自分の絶頂だけを追い求めているただ自分を哀れんでいるようで頬を滑る涙すら不快だ もう終わりにして欲しい己を高めることに必死な手ではジクに縋りつくこともできず鬼柳はただ唇を戦慄かせて王者の赦しを請うたならば 涙に滲んだ視界の向こうでジクが笑う震える鬼柳の顎を掴んでついと持ち上げ唇で薄い三日月を描いてみせるてみせろ︱︱ 王者の声がぞろりと鬼柳の耳に入り込む その低く甘く熱に掠れた声に鬼柳の後孔がきと窄ま肉壁が中の指を締め上げて擦れて堪らな この肉がいつもジクの性器を咥えているのだと自覚した瞬間爪先で抉られていた尿道が精液を噴き出したじわりと滲んで開放された白濁は飛び散ることなく手のひらと陰茎を伝い落ちる内腿が背筋が逸らした喉がぴんと張り詰めて弛緩したようやく達したか クンに沈んでいく鬼柳の背中をクが掬い上げた触れられた身体に安堵を覚え鬼柳はそとジクを見上げた最初から最後まで一人だけ楽しんでいた酷い男の顔だ 悪態のひとつやふたつつきたいところだが生憎と乱れた呼吸と疲労感がそれを許さなか今の鬼柳では睨みつけることもできないだろう瞬きで目尻に溜また涙をひたすら追い散らすぐらいが関の山だ貴様は自慰もしたことがないのか 相変わらず責めの体を取た揶揄の言葉呼吸の隙間をて鬼柳は返すお前がいるのにそんなことだろうなそんな余裕があるのなら俺も考えを改めねばならんところだ もしも改めたらどうなるのかなど考えたくもない 鬼柳はゆるく頭を振クの腕の中で収まりのいいところを探し始める一人で達しただけにしてはやたらと重くのしかかる疲労感を宥めすかして身を捩ればしくジクの方から膝の間に引き上げてくれた ほうと息を吐いて鬼柳は脱力する安堵の中まだジクが着ている服が邪魔だと思う臀部に当たる硬いものも少し 驚いて鬼柳が身を震わせれば薄い尻を抉るようにそれは寄せられるクはまた擽るような声で鬼柳の耳に唇を寄せるどうして欲しい鬼柳 その声が欲情に濡れているような気すらした 随分な目に遭たが見ていただけのジクもちと感じてくれていた鬼柳が自分自身で与え浅ましく享受していただけの行為に 台詞こそ鬼柳に求めさせるものだがクがどうし
たいかは鬼柳にもちんと伝わている何より鬼柳自身慣れない行為の中最後まで求めていたものだ一人じ満足できないクに抱いて欲しい 両手は汚れているので唇だけクの頬に寄せる 頷いたジクの髪が首筋を掠めてこそばゆい鬼柳がと瞼を下ろせばそのまま柔らかく押し倒された こんな疲労感を抱えたままジクを受け入れて明日の朝はどうなるのだろうかそもそもどうしてジクは鬼柳に自慰を強いたのか何かそうさせるようなものがあただろうか取り留めもない疑問は頭の片隅に押しや鬼柳はジクに身を委ねた